平成29年度芦屋大学学位記授与式を挙行しました

2018年03月14日

2018年3月10日(土)
本学 福山記念館Aホールにて、平成29年度芦屋大学大学院・芦屋大学の学位記授与式を挙行しました。
式典後は会場をホテルオークラ神戸へ移し謝恩会が催されました。

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます

芦屋大学で身に付けた人間力を武器に、新しい環境でも大きく羽ばたいてください。
教職員一同、皆さんの活躍を心から楽しみにしています!

平成29年度 学位記授与式 式辞

 春を待ち冬の寒さを耐え忍んだつぼみが、美しい花を咲かせようとしています。人もまた厳しさを乗り越え、心が豊かに育っていくのだと改めて実感しているこの頃です。皆さん、この4年間、楽しいことも多かったと思いますが、逆に進路を切り開くための孤独との闘い、卒論製作過程での葛藤、部活動での挫折、人間関係での悩みなど辛いことも経験したかもしれません。しかし、その試練が、君たちをより、人間らしく育ててくれたのです。本日の皆さんは、たくさんのことを乗り切って得た晴れやかな表情をされていますね。輝いていますね。

 卒業生の皆さんは、本年も後輩たちの励みとなる大きな財産を残してくれました。

 まず、本年度のプロ野球ドラフト会議で、兵庫ブルーサンダーズ所属の田中君が、昨年の山川君に続き、楽天に5位で指名をされました。彼は、高校では大きな実績はなかったですが、ブルーサンダーズへ入部し、一流指導者のもと、バッティング技術を磨き、長距離打者として成長しました。プロ野球ドラフトにかかる予備軍は約23万人いますが、その内、指名がかかるのは2%と言われております。努力すれば、夢が叶うことを実証してくれました。

 また、教員採用試験では、幼稚園、小学校の教諭、特に、公立中学校の技術教員に3名の合格者を出してくれました。その他にも専門性と人間性が認められ、大手企業に一度に5名もの採用が決まるなど、様々な業種や職業への採用が決まっています。この人たちに共通しているのは、明確な目的を持ち、夢に向かって、4年間、努力し続け、専門的な知識と共に、沢山の本を読み教養を培い、人間力を養ったことです。

 先日開催された、卒論プレゼンテーション大会では、5人の代表が、それぞれ独自のテーマの決定から課題を見つけ、資料収集、解析までを論理的に行い、さらに私たちに分かりやすく解説をしてくれました。中でも、学長賞を獲得した4年生の学生の発表は、保育現場に行き、疑問に感じたことをテーマに掲げ、論旨はもとより、堂々とした発表態度も聴く側の心に訴えるような大変素晴らしいものでした。先輩が4年間の学びのまとめとして行う発表が、後輩のみなさんにとって大きな目標となる。毎年の発表を聞くたび、この行事を通してそんなよい文化が出来上がりつつあるのを実感しています。

 発表者にとっても、この発表自体が大学での一行事に終わるのではなく、発表を通し、社会でも通用するような考え方の基礎を身につける事に繋がっていると思います。

 現在は、情報化が進み、誰かがきちんと整理してくれる情報をそのまま鵜呑みにする傾向があり、大学生も自分の考え方を持つ人が少なくなってきています。その点、君たちは専門知識を養うだけでなく、この4年間で、ゼミや部活動、進路決定などを通して、目的に向かい地道な努力を重ね、課題を克服するため、先生にアドバイスを受け、友だちと議論をしてきましたね。その過程の中で、自分で考え、言葉を作り、借りものでない本物の自分を作ってきたのです。最も重要かつ素晴らしい成果ですね。

 このような、君たちの生き方を、芦屋大学を訪問してくれる方々が色々な角度から誉めてくれております。外来者の私たちにも礼儀正しく、訪問場所を尋ねると、その場所まで丁寧に案内してくれると。また、県や市町村の教育委員会の面接官が来訪された時に、面接時の君たちの紋切り型でない受け答えに個性を感じると誉めてくれます。さらに、卒業生が勤めている企業からは、指示待ちでなく、自ら積極的に行動をしてくれると、高く評価していただいています。

 ここで『自分らしい生き方』に焦点をあて少しお話をします。現在、人口知能(AI)ロボットも普及し、今後、人が就ける職業についても大きく変化することが予想されます。機械では取って代われない、人でなければ出来ないこと、またその変化や状況にどれだけ柔軟に対応できるかが、職に就くうえで、大変重要になることは明瞭です。

 人にしかできないことを身につけるためには、この4年間でも学んだことと思いますが、自分の失敗や成功の体験、乗り越えたこと、感動したことなど整理し文章にして書きとめておくことが重要です。書くことで脳に蓄積され残っていきます。できるだけ体験した感覚の鮮明な内に書きとめると効果が倍増します。簡単なようでなかなか実践できない人が多いですが、努力してみてください。私自身の体験からも言えますが、このことが5年先、10年先に確実に生きてきます。それが仕事力に繋がり、独自性が生まれ、企画書作成のヒントにもなり、的確な判断能力の支えとなり周囲から信頼される存在になります。人が仕事で磨かれていくゆえんです。

 このような作業は、一見地味に見えますが、最終的には世界で一人しかない自分を作ります。熱意を持ち、日々生きて行くこと自体が、自分らしさを作り出し、どんな世の中にも臨機応変に対応ができる、社会に貢献できるとともに国際社会にも通用すると言うことを心に留めておいてください。

 さて、遅くなりましたが、保護者、ご家族の皆さまにお祝いとお礼を申し上げます。人生80年の中で最も飛躍するこの4年間という大切な時期にご子息ご息女をお預かりしました。精一杯、頑張ったつもりですが、まだ足りない所もあったと思います。最後まで私どもを信じお任せくださり、ご理解とご協力に感謝いたします。皆様方におかれましても、今後ともご理解、お力添えをお願いいたします。

 そして、本日ご出席賜りましたご来賓の皆様方に衷心よりお礼を申し上げます。それぞれの立場から芦屋大学に寄せていただいた≪熱き心≫があればこそ、今日、こうして、晴れの日を迎えることができました。教職員を代表して心よりお礼申し上げます。

 卒業生のみなさん、君たちの創造性や企画力で驚かせてくれた学園祭、卒論プレゼン大会での熱演、部活動での活き活きした姿、キャプテン引き継ぎ式での魂のこもった言葉などひとつ、ひとつが、今、鮮明に蘇ってきます。

そんな君たちは芦屋大学の誇りです。私たちの自慢です。私たちに力を与えてくれました。
「ありがとう」

そんな素晴らしい未完の魅力を備えた君たちの卒業を、教職員が心をひとつにしてお祝いを申し上げます。
「おめでとうございます。」

平成30年3月10日   

芦屋大学 学長 比嘉悟

 

 ※一部、学生の個人名など内容を修正して掲載しております