令和2年度学位記授与式を挙行しました

2021年03月13日

本学 福山記念館Aホールにて、令和2年度芦屋大学大学院・芦屋大学の学位記授与式を挙行しました。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、拡大防止と感染予防のため、卒業生、修了生とそのご家族の安全を配慮し、学部ごとにわけた2部制で執り行われました。

式典では、学位記授与に続き、比嘉悟学長より式辞が贈られ、山田英男理事長よりお祝いと激励の言葉を述べられました。

卒業生並びに修了生の皆様、おめでとうございます。教職員一同、皆様のご活躍を心より祈念いたしております。

 

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令和2年度 学位記授与式 式辞

皆さんご卒業おめでとうございます。

令和2年度、芦屋大学、並びに芦屋大学大学院、学位記、授与式を挙行できますこと、この上のない喜びでございます。卒業生は、学部から195名大学院から3名が新しい社会に旅立ちます。   

 この晴れの日を、心待ちにされていました保護者、ご家族の皆様方へ、教職員一同、心よりお祝いを申し上げます。

 今年度は特に、コロナウイルスという脅威に我々のみならず、全世界が脅かされ、これまで当然のことと考えていた日常生活が当然でなくなり、「耐えること」「我慢すること」が特に多くあった1年ではなかったかと思います。

 自然界では、春を待ち冬の寒さを耐え忍んだつぼみが、美しい花を咲かせるように、人もまた、様々な厳しさを乗り越え、心が豊かに、強く育っていくのだとあらためて実感しているこの頃です。

ここに集まる皆さんも同様に、この4年間、特にこの1年はコロナ禍にありながら、孤独との闘い、葛藤を繰り返して、それぞれの進路を切り拓いてきたのだと思います。しかし、それをやり遂げた過程や結果が、皆さんを、より人間らしく育ててくれたのです。今日の皆さんの、澄み切り、輝いた表情の裏側には、十人十色の物語があるのだと思うと、大変嬉しく感じます。

 特に皆さんの成長を感じた卒論作成では、自分で課題を見つけ、解決のため情報収集、分析、そして、結論までをまとめ、自分だけの考え方を構築する。その過程で必要とする能力やスキル全てが、いま社会で求められている課題を解決する思考力に通じるものです。ここで皆さんが書き上げた卒論は、両学部の予選会を通して、代表となるいくつかが発表されました。まさに着眼から、課題の発見、問題解決、そしてそれを自分なりに広く伝えるところまで、大学生活で得た能力の集大成ではなかったかと思います。

進路についても、引き続き研究を続ける人や教員をはじめとする公務員や一般企業への就職、本気で打ち込んできたスポーツの道を究めプロに進む人など、大学の精神「人それぞれに天職に生きる」の通り、多様に花を咲かせてくれました。

さて、これから皆さんは、いよいよ実社会に出ていくわけですが、現実の社会では、良いことばかりでなく、厳しいことも沢山あるでしょう。どの時代でも課題はあります。「互いに心を伝え合い支え合い生きる」そして、「違いを認めて共に生き、笑顔で暮らせるような世の中にすること」が、私たちの宿題だと思っています。今後、皆さんに共通する課題にもなりますが、同時に「人間らしく生きることの模索」を問われる時代になってきています。本学創立者の福山先生は「自分が選んだ職業においても自分が適しているか否かを吟味し、納得して進めば生き甲斐となり天職となる」と建学の精神を説明しています。「人間らしく生きることの模索」はこの建学の精神にも通ずることではないかと思います。

 また、皆さんには、「真のエリート」を目指してほしいと思います。丹羽宇一朗氏が「人は仕事で磨かれる」という本の中で、本当のエリートの意味を語っています。巷で言われているような金持ちだとか、特権階級をさすのではなく、むしろ、特権階級だと思った時点でその人はエリートでなくなります。エリートには、その地位に見合った責任と義務が生じます。他人のために尽くす。悪い時は矢面に立ち、良い時には後に下がる。謙虚さと謙譲と献身を持たなければなりません。これは、簡単にできることではありません。それを苦痛と思わず実行できることが真のエリートです。

すでに社会に出て活躍、貢献している卒業生を含め、皆さんは芦屋大学の誇りです。私たちに力を与えてくれる存在です。「ありがとう」

そして限りない可能性を秘めた皆さんの新たなスタートを、教職員一同、心から応援しています。

               令和3年3月13日       

                芦屋大学 学長 比嘉 悟