令和6年度 第61回芦屋大学大学院・芦屋大学入学式を挙行しました

2024年04月8日

4月1日(月)盛大に新入生・保護者・教職員・在学生により、福山記念館大ホールにて執り行われました。

学部生・転入生・編入生・大学院生が新たに芦屋大学・芦屋大学大学院の一員となりました。さらに交換留学生3名が同時に入学しました。

式典では、学長と理事長よりお言葉を頂戴し、新入生宣誓に続き、在学生代表が歓迎の辞を述べました。

式終了後には、交換留学生の自己紹介や新入生歓迎セレモニーとして、バレエ部による演技やダンス部による演技が披露され、

また、新入生と教員との記念撮影が行われました。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!

これから充実した学生生活を過ごし、かけがえのない日々となることを願っています。

 

令和6年度 入学式 学長式辞

 長く厳しい寒さがようやく緩み、桜もほころび始めた今日の良き日に、芦屋大学大学院、芦屋大学にご入学なさった皆さん、入学おめでとうございます。教職員一同、心より歓迎いたします。また、皆さんを今日までいつくしみ大切に育ててこられた、ご家族、保護者の皆様にも、謹んでお祝いを申しあげます。成長されたお子様たちの姿に感激もひとしおと思います。本当におめでとうございます。今後、芦屋大学の活動に是非ご理解とご支援を賜りまして、教職員一同、お子様たちをしっかりと支えてまいります。

 本年は、能登半島地震という大きな災害で幕を開けました。被害を受けた方々にお見舞いを申し上げるとともに、復興をお祈りしたいと思います。この地震に象徴されるように、災害の甚大化、地球環境の大きな変化、そして経済の停滞、戦争、皆さんがこれから生きていこうとする世界には問題が山積しています。そのような社会を生きる皆さんには、大きな力が必要です。大学という場は、生きていく人間としての力を身につけるところだと私は考えます。ここ芦屋大学には、皆さんをしっかりと支える素晴らしい教員とスタッフがいます。存分に自主的に動き、すばらしい4年間を過ごしていただきたいと思います。

 本日、大学生となられた皆さんの前には、4年間の真っ白な、そして大変に自由な時間があります。大学生は、時間を自由に使うことのできる特権階級です。もちろん大学での様々な学びが中心となるのですが、それに加えて、スポーツや芸術など、好きなことをとことん追及したり、初めての場所にでかけたり、多くの人と出会う時間があたえられています。考えてみてください。皆さんのこれからの長い人生の中で、大学生の時代ほど、時間にゆとりのある時期はありません。加えて皆さんには若さとそれゆえの大きなエネルギーがあります。それらを存分に生かし、豊かな人生を歩む力を獲得してください。

 今年、芦屋大学では、61名の海外からの留学生を迎えました。このことが象徴するように、日本は今、大きく変わろうとしています。政府は近年、特別枠を設け、日本に定住し働いてくれる外国人とその家族を受け入れつつあります。そして大学でも積極的に外国人学生を受け入れ、日本の会社に就職するように促すようになっています。つまり皆さんが生きる日本社会は、社会全体がグローバル化しつつあるのです。

 私は、大学生の時に、文化人類学という研究分野に出会いました。これは、異文化を研究し、文化を相対化する学問分野です。平たくいうと、自分の当たり前を見直し、他者の当たり前を理解することを目指します。文化が異なる人と自分とは、当たり前、常識が異なります。そして、常識は星の数ほどあります。自分とは異なる常識を、「それはおかしい」と切ってしまわないこと、それが異文化理解の始まりです。私はこの分野を専門とすることによって、多文化を認め、自分の価値とすることが自分の大きな力となり、身につく学びとなることを知りました。

 芦屋大学は、とてもグローバルな場になっています。海外に行かなくても、多くの異なる背景の人に出会い、異文化にふれることができます。異なる文化に出会い、異なる常識に出会うと、違和感を感じ、「おかしい」と感じることも多いでしょう。しかし、「そういうあり方もあるのか」という理解が得られると、皆さんの世界はそれだけ豊かになり広がったことになります。是非、大学生の間に多様な考え方、価値観と出会ってください。もちろん、長期休暇を使って海外に出かけ、異文化の中に身を置くこともお勧めします。異文化との出会い、驚き、戸惑い、そこからの学びは、皆さんに大きな力を与えます。そして、いまはまだ、真っ白な皆さんの世界を、多様な価値を知り、色鮮やかにカラフルにそめていってほしいと思います。

 最後に、私から皆さんに大学生活で是非大切にしてほしいことをお伝えします。それは「人とつながる」ことの重要さです。先生や職員の方々、新しく出会う同級生、先輩、そして留学生、多くの人たちと自分からつながる努力をしてください。それは、小さく閉じた自分の世界と異なる世界との出会いのはじまりです。小さな、しかし具体的な人と人とのつながりをいくつも重ねていくことが、具体的な学びとなり、豊かな世界へと皆さんを導き、必ずや皆さんの人生の宝になります。

 この美しい芦屋の高台にある大学のキャンパスと、美しい魅力溢れる街でおおいに学び、感じ、学生生活を楽しんでください。皆さん一人ひとりが実り多い大学生活を送られ、生きる力を身につけることを心から祈り、私のお祝いの言葉とさせていただきます。

令和六年四月一日
学長 窪田 幸子