考え方の困った癖「白黒思考」

2024年06月13日

皆さんは「白黒思考」や「全か無か思考」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これらは“認知のゆがみ”と呼ばれる、考え方の困った癖のうちの1つです。

他にも「べき思考」「過度の一般化」などあと9個あるのですが、今回はその中でもこの「白黒思考」について取り上げたいと思います。

 

まずこの「白黒思考」とは読んで字のごとく、物事を“白”か“黒”かの極端な2パターンでしかとらえられない考え方を指します。

例えば、<正義か悪か><正しいか正しくないか><成功か失敗か><合っているか間違っているか><好きか嫌いか><良いか悪いか><出来るか出来ないか><敵か味方か>といった考え方です。このような「白黒思考」があると、完璧主義になって新しいことに取り組めなくなってしまったり、周りの人との関係がうまくいかなくなってしまったりすることもあります。

 

物事には多くの場合、グレーな部分があるものです。完璧な白でなければ、他の全ては黒なのかというとそうではありません。白に近いグレーもあれば、黒に近いグレーもある。ちょうど真ん中くらいの色だってあるかもしれません。同じ色でも、太陽の下で見える色と、蛍光灯の下で見える色と、暗いところで見える色は違うかもしれません。私に見えているグレーと、あなたに見えているグレーは実は違っているかもしれません。

物事は場面によって、見方によって、見る人によって、いろいろな面があります。Aくんにとっては許せることがBくんには許せないこともあります。同じことがCくんにとっては、許せるときと許せないときがあることだってあるのです。

 

「白黒思考」になりやすい人はこのグレーの部分が受け入れられず、完璧に出来ないならばそもそもやらない、1度失敗してしまったら後がどうであれば全部ダメだ、とネガティブになっていってしまいます。また、周りの人にも白か黒であることを求めてしまうため、ルール違反や頑張らない人が許せず、相手に対して批判的に詰め寄ってしまって周りとの関係性が悪くなってしまうこともあります。それでは自分もしんどいですよね。

 

こんな考え方から抜け出すための1歩は、まず自分が白黒で考えやすいことに気づくことです。別の考え方に変えていくための工夫などはカウンセリングでも一緒に考えることが出来るので、気になる人はぜひ1度カウンセリングルームの予約をしてみてくださいね。