教育相談所だより10月号 身体能力を高める秘策

2024年10月30日

皆さんは、「反射ってなに?」と考えてことはありますか。反射は、「熱いものを触ったときに思わず、手を引っ込める」行動のように、自分の意志とは関係なく身体が動く現象です。少し高い椅子などに座って足の力を抜いて、膝にあるお皿の少し下にあるくぼんだ所を柔らかいハンマーや小指の付け根で、少し下からポーンと叩いてみてください。すると何かを蹴るように足がピコッと動く反射が起こります。これは、膝蓋腱反射で、自分の意志とは、関係なしに足が動くのでとても気持ちが悪いと感じる人もいると思います。反射は、大脳が「動け」と命令を出しているわけではないので、自分でコントロールすることはできません。ところが、反射をうまく利用して自分のパフォーマンスを最大限に発揮している人がいるのです。それは、スポーツの世界でスーパースターと言われる達人たちです。

 サッカー界のスーパースターであるネイマール選手に注目してみましょう。ネイマールは、試合中たぐいまれな瞬発力でディフェンスをかいくぐりゴールを目指すことができます。どうしてそんなことができるのでしょうか。サッカー部の人たち、分かりますか?

ネイマールは、動く前に進行方向とは反対の足をぐっと踏み込んでいるのです。「そんなこと、とっくにやってるよ。」という人もいると思いますが、踏み込むことによってアキレス腱の反射を自分で生み出して、それを瞬発力にしているのです。合気道や少林寺拳法などには、反射をうまく利用して人を倒したり、護身したりする技がたくさんあります。達人とは、他の人に比べて反射をうまく使うことができる人たちと言えるかもしれません。

 誰でも、ボールを投げるとき、ジャンプをするとき、スタートダッシュをするときなど、反射をうまく利用するとパフォーマンスを高めることができます。踏み込んだり、少し身体をねじったり、腕を後ろに引いたり、これからやろうとしている動きに必要な関節や筋肉に少し負荷をかけてみてください。自然に身体が動くという感覚が味わえると思います。

皆さんも反射をうまく使ってパフォーマンスをアップさせて、運動を楽しんでみませんか。